Technology

開発経緯 DEVELOPMENT HISTORY

当社は、新規メカニズム(Mode of Action:MoA)に基づくアルツハイマー型認知症(AD)治療候補化合物NTX-083(本剤)の非臨床試験を終了し、臨床試験を実施中です。

本剤は、森口茂樹博士(国立大学法人東北大学・准教授/当社創業科学者)により見出され、FIH試験に向けた国立研究開発法人日本医療研究開発機構(橋渡し研究戦略的推進プログラム・脳とこころの研究推進プログラム)より支援を受け、非臨床POCの取得ならびに東北大学より2件の国際特許出願を完了しております。2018年に既存のAD治療薬であるメマリー(塩酸メマンチン)の新規メカニズムによる認知機能改善効果について報告しました(Moriguchi S et al., Molecular Psychiatry 2018)。本報告を基盤とし、さらに新規構造の化合物群の創製による構造最適化・構造活性相関の解析により本剤を同定し、本剤の実用化を目標に新規MoAによる認知症治療薬の臨床試験に向けたGLP安全性試験を実施・完了し、2022年4月にNeusignal Therapeutics株式会社(本社:東京都中央区日本橋)を起業しております。当社は、東北大学より上記の特許譲渡を受け、事業を展開しております。

本剤は、ADモデルマウス等を用いた研究結果から、中核(認知機能改善効果)/周辺症状(精神機能改善効果)改善作用ならびに疾患修飾作用を併せ持ち、経口での投与が可能であることから臨床使用における患者アクセスの向上が期待されます。さらに、複数の動物を用いた安全性試験の結果から本剤の大きな特徴として高い安全性が期待されることなどの幾多の利点を有しております。

世界初の中核・周辺症状改善/疾患修飾可能なFirst-in-classとなる薬剤の創成を目指しており、本剤の上市により、新規の認知症治療薬が患者様ならびにご家族のみなさまへの提供を目指します。

私たちのゴール OUR GOAL

20年以上に渡り、承認されていたのは認知機能改善薬4種でした。
近年になり、疾患修飾薬が承認され注目を集めています。
我々はその先を目指して、次世代のAD治療薬を目指します。

1996
1990年代〜
認知機能改善薬

認知機能を一定レベル改善する「ドネペジル」や「メマンチン」などの薬が誕生

2023
2020年代〜
Aβ抗体(疾患修飾薬)

疾患進行を遅くする「レカネマブ」や「ドナネマブ」などの薬が誕生

開発中
次世代型AD治療薬を目指します

●認知機能改善 ●周辺症状改善 ●疾患進行抑制

パイプライン PIPELINE

NTX-083の研究開発を通じて、ADに関する数々のサイエンスエビデンスを取得しています。
それらを活用してNTX-083に続く化合物として、バックアップ化合物や新たな標的によるパイプラインの複線化にも取り組んでいます。

NTX-083のメカニズム解析を通して新しい標的及びシナジーが見込める開発品の導入なども検討中。